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-相続税-
【税理士監修】二次相続について 一次相続との違いや相続税のポイントを解説
相続は多くの家庭で一度は経験するものですが、一次相続が終わった後には「二次相続」が控えています。
特に、相続税は二次相続で負担が増えるケースが多いため、事前にしっかりとした対策が必要です。
本記事では、二次相続の基礎知識、一次相続との違いなどについて解説します。
二次相続とは?
二次相続とは、配偶者が相続した財産が、再び次の相続人(主に子供たち)に受け継がれることを指します。
例えば、父親が亡くなり(一次相続)母親が相続した財産が、母親の死後(二次相続)に子供たちに相続される場合が当てはまります。
二次相続で相続税が高くなる3つの理由
二次相続では、相続税が高くなる傾向があります。
以下の3つの理由がその背景にあります。
基礎控除額の減少
相続税の基礎控除額は、法定相続人の人数により決まります。
二次相続では、一次相続より相続人が減ることが多いため、控除額も少なくなります。
例 : 一次相続で相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円ですが、二次相続で相続人が2人になると、控除額は4,200万円に減少します。
配偶者控除が適用されない
一次相続では、配偶者が相続する場合に多くの税負担が軽減される「配偶者控除」がありますが、二次相続ではこの控除が適用されません。
そのため、相続税の負担が増えることが多いです。
配偶者が元々持っていた財産が合算される
一次相続に係る財産に配偶者が元々持っていた財産も合算されて財産が増えるため、相続税が増加します。
知っておきたい遺産分割の基礎知識
相続財産の分割において、遺産分割協議書の作成や不動産の分割方法は早めに知っておく必要があります。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書は、相続人全員が同意した内容を記載した書類です。
作成した遺産分割協議書は、不動産の名義変更などに使用します。
不動産の分割方法
遺産分割には3つの具体的な方法があります。
現物分割 : 不動産を各相続人の共有名義にする方法です。
代償分割 : 一部の相続人が不動産を相続し、その代償として、他の相続人に金銭を渡す方法です。
換価分割 : 不動産を売却して換金した、金銭を相続人で分配する方法です。
二次相続の対策方法 5選
二次相続での税負担を軽減するためには、以下のような対策が有効です。
生前贈与を活用
年間110万円以内の贈与は非課税です。生前贈与を活用して、相続財産を減らすことができます。
ただし、亡くなる前7年間分の贈与は相続財産に加算が必要となります。
配偶者が受け取る財産の調整
一次相続で配偶者が相続する財産を少なくすることで、二次相続での相続財産総額を減らす方法も考えられます。
ただし、この方法では、一次相続で納める相続税が増えることもあるため、遺産の配分については専門家と相談しながら決めることをおすすめします。
不動産の特例を利用
不動産資産を承継する際には、特例制度があります。
不動産の評価方法や特例制度を理解し、適切な申告を行うことが大切です。
特に、小規模宅地等の特例が適用される場合、相続税の負担を減らすことができます。
ただし、小規模宅地等の特例が適用されるための条件は、配偶者と配偶者以外の親族で異なるため、専門家と事前に相談することをおすすめします。
相次相続控除を活用
一次相続後10年以内に二次相続が発生した場合、相次相続控除という税額控除制度があり、一次相続で納めた税金の一部を二次相続で控除できます。
生命保険の活用
生命保険の死亡保険金には、相続税がかからない非課税枠があります。
この非課税枠は「500万円×法定相続人の人数」で計算されます。
生命保険をうまく活用することで、相続税の負担を減らすことができるでしょう。
まとめ
二次相続では、相続税の負担が増えることが多いため、早めに対策を講じることが大切です。
また、今回ご紹介した二次相続の対策方法は、それぞれにリスクや費用が伴う場合もあります。
専門家と相談しながら、自分に合った対策を立て、安心して二次相続に備えましょう。
(記載内容は2024年10月1日までの法改正に基づいています)