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-相続税-
【税理士監修】相続発生後でも可能な土地の適正評価の重要性について解説

相続税の計算において、土地の評価額は税額に大きな影響を与えます。
土地は不動産の中でも特に評価方法が複雑であり、適切に評価することで税負担を軽減できる可能性があります。
相続発生後でも土地の適正評価が可能な場合が多いため、専門家の助言を受けながら適正な評価を行うことが重要です。
土地の評価方法
土地の評価方法には、主に以下の2つがあります。
① 路線価評価
市街地で広く採用される評価方法です。
国税庁が毎年発表する「路線価」に基づいて計算されます。
路線価とは、道路に面する宅地の1㎡あたりの価値を示すもので、地積(土地の面積)に路線価を乗じ、補正率を適用して評価額を算出します。
計算式 : 路線価 × 地積 × 補正率
② 倍率評価
市街地以外の地域で用いられる評価方法です。
固定資産税評価額に倍率表の倍率を乗じて評価額を算出します。この方法は、市街化調整区域や農村部などで適用されることが多いです。
計算式 : 固定資産税評価額 × 倍率
これらの評価方法を理解し、適切な方法を選択することが土地評価の第一歩です。
適正評価のポイント
土地の評価額は、補正率を適切に適用することで大きく変わる可能性があります。
補正率は、土地の形状や立地条件、利用制限などを考慮して調整されます。
以下は、補正率が適用される代表的なケースです。
不整形地(旗竿地など)
土地の形状が居住や建築に不向きな場合、評価額が△1%~△40%減少することがあります。
地積規模の大きな宅地
500㎡以上など、複数の要件を満たす土地は、その規模による利用制限を考慮し、一定の補正が適用される場合があります。
無道路地
道路に接していない土地は、利用価値が低いため、評価額が最大△40%減少することがあります。
がけ地が含まれる土地
がけ地がある場合、その部分の利用価値が低いため、△4%~△47%の補正が適用されます。
私道
行き止まりの私道は、△70%の補正が適用される場合があります。
セットバックが必要な土地
接している道路が狭小で、セットバックが必要な土地は、その部分について△70%の補正が適用されます。
騒音や環境要因の影響
高速道路や鉄道の近くにある土地は、騒音や振動の影響を考慮して△10%程度の補正が適用されることがあります。
墓地が隣接する土地
墓地や火葬場が隣接する土地は、心理的な要因から評価額が△10%減少する場合があります。
これらの補正率を適切に適用するためには、土地の特性を正確に把握し、税務署に適切な資料を提出することが求められます。
実地調査・役所調査と資料作成の重要性
土地評価では、現地調査・役所調査が重要な役割を果たします。
現地調査では、以下のようなポイントを確認します。
● 土地の高低差や形状
● 隣接する施設や道路の状況
● 周辺環境の影響(騒音や振動など)
● 建築制限やセットバックの有無
これらの情報を正確に把握し、写真や動画で記録することで、評価見直しの根拠を明確に示すことができます。
専門家選びの重要性
土地の適正評価のためには、専門家の選択が非常に重要です。
相続専門の税理士など、土地評価に詳しい専門家に相談することで、適正な評価額を見直すことが可能です。
特に以下のようなポイントに注意して専門家を選ぶことをお勧めします。
● 土地評価の実績が豊富であること
● 補正率の適用に関する深い知識を持っていること
● 税務署との交渉経験があること
● 相続税申告の実績が豊富であること
専門家の力を借りることで、土地評価額の適正化がスムーズに進み、相続税の負担を軽減できる可能性が高まります。
評価見直しがもたらすメリット
土地評価の見直しには、以下のようなメリットがあります。
①相続税の軽減
評価額が適正に行われることで、相続税の財産額が下がり、税負担が軽減される可能性があります。
②納税計画の見直し
税負担が軽減されることで、納税資金の準備の計画もスムーズに進む可能性があります。
まとめ
相続発生後でも土地の適正評価は可能であり、適切な手続きを行うことで相続税の負担を軽減できる可能性があります。
土地評価は専門的な知識が求められる分野であるため、経験豊富な専門家に相談することが重要です。
土地の特性や条件を正確に把握し、適正な評価額を算出することで、相続税の負担を最小限に抑えることができます。
土地評価の見直しに関するお悩みがある方は、ぜひ専門家にご相談ください。
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(記載内容は2025年2月1日までの法改正に基づいています)